6年生「音の絵」
公開日: 2025年7月2日水曜日
第1時
「どんな方向性の絵を描いていくのか」「どんな工夫ができそうか」
子どもたちに捉えてもらうための〈ためしの活動〉です。
C :先生僕たち1年生じゃないです。
C :あ、よかったー。

(「下駄で歩く音」カランコロンを聞きながら)
※何の音か↑は、子どもたちには内緒です。
T : 何でこの色と形?
T : これは?筆を打ち付けたのかな。
C :橋の上って感じがして。また打っている感じがしたから。
T : イメージした場所と音の感じから、いいね!
ためしの1回目は、手が動かない子もいましたが、それは想定内。「あ、そんな感じでいいんだ」と緊張を解きリラックスして表現をたのしめるよう、描いた子を取り上げ、大型画面で紹介をしました。
ためし②
(「水中(ゴポゴポ)」を聞いて)
T : 何でこんな色と形?
C : 音から水をイメージして、その中に空気がある様子
C :あー、ポコポコ?
C :泡が上に泡が浮いてきてる感じ。
C :そうそう
全員の手が動いた2回目でした。
ためし③
(「金属バットでボールを打つ音」キィーンを聞いて)
T : 何でこんな表現に?
C : キーンっていった後の、なんか余韻を薄めにして。
C :薄めにしたところは何を表したって?
C :余韻。
T :おー余韻も。しっかり聞いたからこそですね。
ためし④
(「風のおと」ビュオーーを聞いて)
T : 二人の表現、形は似ているけれど、色が違うね。何が違うんだろう。
C:音が砂漠みたいな感じだったから、砂の色として黄色がいいかなって。
C: 涼しげな色といったら青か緑だから。
T :涼しげなイメージで色を選んだ、思い描いた場所から色を選んだ、
どちらも素敵ですね。
T :来週からは自分の「音のする絵」を描いていきます。
自分の生活の中で、「どんな音が聞こえるかな」と耳をすます週末にしてみてください。
自分が表したいもの、表したいことをじっくり考えたいタイプが増えていく高学年の子どもたちですので、第1時のためしの活動はあえて金曜日に行い、週明けに自分のテーマに向かって描き始めることができるようにしました。
【振り返り】
・それぞれの音で、色や形が広がっていきました。
・私は音からのイメージでかきました。人のかいたものとイメージしたものがちがったり、形や色、同じ形でも色がちがうと意味がかわっておもしろかったです。
・聞いた音をそのままえがくのが楽しかった。
・音を聞いてどんな表現で音を絵にするかなやんで、意外とむずかしかったです。
第2時
前時の振り返りの紹介
「人のかいたものとイメージしたものがちがったり、形や色、同じ形でも色がちがうと意味がかわっておもしろかったです。」
T :人それぞれの表現の面白さに気付いていますね。一方で難しさを感じた人もいたようです。
「音を聞いてどんな表現で音を絵にするかなやんで、意外とむずかしかったです。」
T :この困りを解決するためには?
C :場所をイメージするといいよ。
C :たしかに
T :では、今日は、この音が聞こえるのは「どこだろう」を考えながら描くといいのかな。
(教科書掲載の絵を見せて)
T :題名なんでしょう
C :水そう
T :どこからそう思った?
C :水とえさと魚のようなものが描かれている。
T :水の色や魚のような形に注目したんだね。いいね。この絵の題名は「かさの音」です。
C :えー
T :どんな雨が降ってそうかな~。みなさんも、身近な音を絵にしてみましょう。
表し方の工夫は、きっとたくさんありますよ。
【振り返り】
・描く絵の音を海の潮が「ザザーン」と浜に流れるところをイメージして、夏の海の風景を描きました。
第3時
第2時は、一人一人の反応が個性化されるようにと、机の配置をあえて普段の授業と同じ前向きにしていました。 それを、第3時から机を6~8人で向かい合うようにしました。子どもたちが前の時間の終わりに、個別に本時の課題(めあて)を設定できていたことから、それぞれの表現を尊重しつつ、いい刺激をもらい、自分の表現に向かえるだろうと思ったからです。
画用紙も、第2時は一律の長方形でしたが、今回は正方形と円形の画用紙を用意しました。
第2時のはじめ、「画用紙は自分が思う形に変えていいよ」と伝えていましたが、そこまで考える余裕はなかったようだったからです。
円形を選んだ子に「なんで円を?」と尋ねると「みずたまりを描きたいから形が似ているものにした」と明確に答える子もいれば「うーん、なんとなく」という子もいました。なんとなくでも、四角ではなく円を選んだことで、自分が表したいことがより伝わるようにと思考が働いていることは確かなのだろうなと、それぞれの画用紙を選んでいく子どもたちの様子を見て思いました。(第2時に出していたら、物珍しい円に偏った可能性が高かったと思います)
・今日、テーマは決まったので、より、つたわるようにしました。白を少し加えて雨っぽくしました。少し失敗したので、次回、うまくしたいです。
・おためしで絵の具をそのままつけてかいていたら「ドドドドド」という音が出てそうだったので、赤と黒でかきました。
第4時
表現の工夫が盛り上がりを見せた第4時でした。
【振り返り】
今回は、水が落ちているようなイメージで絵をかきました。だから水を多めにしてからあい色を白ではなく水でうすめました。
第5時
第2~3時は、
表したいものを表す>ためしながら「どんな音が聞こえるかな」を考えながら描く
だったのですが、描くことに没頭し、2枚目、3枚目と進んでいくにつれ、第4時で、
表し方の工夫を先行する子ども(試しながら描く)が多くなったようでした。どちらも素敵な姿です。特に、表し方の工夫を追求していくのは、図画工作科の課題の一つを超えていく姿です。そうなるといっそう、「音からの発想」も大事にしてほしい、そう思い、第5時は、「音さがし」からスタートすることにしました。
【振り返り】
・今日、柱時計の絵をかきました。チクタクという音をどう表せばいいか難しかったけれど、チクタクは大きい音から小さい音になっていたので、銀の絵の具をうすめていくようにしました。
・工事のカーンという音です。工夫したところは、聞いていてよいんがあったので、はしのほうまで絵をかきました。(点や線の)サイズなどを変え、よいんだとわかるようにしました。
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