「造形的な要素」そして「色(色彩)」

公開日: 2016年5月25日水曜日

 以前、「今年度も「造形的な要素」に着目し研究を進めていきます」と書きましたが、この「造形的な要素」の用語は『小学校学習指導要領解説 図画工作科編』(現行)には登場しません。この用語が見られるのは『中学校学習指導要領解説 美術編』(現行)です。

 ただし、だからと言って小学校で「造形的な要素」を意識しなくてよいということではありません。新設された「共通事項」の指導内容は、まさに「造形的な要素」に関するものだからです。

 「形や色彩,材料,光などの造形的な要素」(『中学校学習指導要領解説 美術編』28pと紹介されているこの用語について、私は特に「色(色彩)」について研究を進めます。具体的には、子どもが作品制作時に「どのように色を選び、制作を進めていくのか」に焦点を当てます。

 私はこれまでの経験から、子どもは色を選択する際に、主に次の二つの選択肢から色を選んでいると考えています。①「見えた色」、②「好きな色」です。

①「見えた色」は、細かく分ければ、「実物の色」と「実物からイメージされる色」に分かれます。「見える色」と「知っている色」と言い換えてもいいかもしれません。
 ②「好きな色」は、その言葉の通り、子ども自身が好きな色ということになります。

 私は、子どもが作品制作時に、この二つの選択肢から色を選ぶことを、素朴な色選択と呼んでいます。子どもが自然な状態で身に付けた色選択だからです。そして、この色選択は学年が上がるにつれ「見えた色」に集中する傾向にあります。再現的表現が強まるということです。結果、高学年以上の児童・生徒の中には「水彩絵の具で「見えた色」が作れない」という躓きから、図工・美術に苦手意識を持ちだす子もいます。この再現的表現への傾注は「子どもの発達段階」とも言えますが、海外の日本人学校で現地の子どもたちの絵を見た経験から言えば、日本の子どもの「見えた色」への傾注は「偏り」とも言えるような気がします。

 この偏りを生み出している要因は様々だと思いますが、私はその一つが「児童画コンクール」ではないかと思っているのです。
 次回は児童画コンクールの功罪について書きます。   《本山》                                   
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